運に任せるしかないことも

運に任せるしかないことも

先日の准看護師の筋弛緩剤点滴事件ですが、マスコミはこうした事件が二度と起こらないようにとの掛け声にその動機や病院側の管理体制などの原因追究にとたいへん躍起になっています。

しかし、残念ですが、仮に事件の背景や原因が明確になっても、その対策を練ったところでいったん彼のような医療者が現場にいれば、今回のような事件を完全に防ぐことは難しいでしょう。

これが、そもそも人を害する意図のない過失と悪意を持った犯罪の大きく異なるところです。

過失であればその背景を探り、対策を講じることもできますが、犯罪はさまざまな抜け道、ほころびを見つけては悪意をもって実行されるでしょう。

医療従事者が悪意を持って人を傷つけようと思えばいくらでもできてしまうのが現実なのです。

それは医療従事者以外の方にとっては医療と言うのはあまりにも現実離れしたものであって、よくわからない世界のことであり、多くの方にとって他人任せにせざるを得ない、医師や看護師に任せるしかないという現実があるのです。

危険なものはなにも筋弛緩剤だけでなく、医療行為というもの自体が人の血管に管を入れたり、心臓に器物を入れたり、体に刃物を向ける行為でもあるわけですから、医療の世界の話でなければ犯罪行為と言えなくもない事ばかりです。

病気と犯罪では次元の違う話と言えば確かにそうなのですが、そこに何か人間の意図せぬチカラが働かないとは限らないわけです。

病気のような偶発的なものであれ、犯罪のような意図的なものであれ、自分たちがきちんとそれへの予防策をとって正しい対処法を講じれば、不快なことにはならないと信じていきたいものです。

しかし残念ながら、世の中はそうそううまくいくものではなく、何が起こるのかは神のみぞ知る、運に任せるしかないこともたくさんあるのです。

そうした人知の及ばない世界があることを受け入れて、それでもなおかつできることで最善を尽くすのが医師や看護師をはじめとする医療従事者の基本的な認識であらねばならないと思うのです。

2014年1月 8日|